教育

事実だけで真実を見ない世の中

事実だけで真実を見ない世の中

今回のテーマはタイトル通りですが、
いつものようにまず言葉の定義を一般論から比較してみます。

事実と真実の違い

事実

1.実際に起きたこと
2.客観的で、誰が見ても変わらないこと
3.状況や立場によって解釈が変わらないこと

真実

1.当事者しか知り得ない事実のこと
2.主観的で、人によって見方が変わること
3.状況や立場によって解釈が変わること

、、、これぐらいでしょうか。

ではこの中で、やや違和感が感じる箇所があったのをお気づきでしょうか?

考察

それは「真実」の中の「1.当事者しか知り得ない事実のこと」です。

つまり「真実の中に事実という言葉が入っている」ということは、
真実は、事実を含んだより詳しい内容になります。

少しややこしく感じられるかも知れませんが、
ここは実は見逃せない重要なポイントなんです。

なぜなら「真実」は、「事実+アルファ」であるため、
事実がなければ、存在できない言葉なんです。

もう少し分かりやすく、例を挙げて見ます。
例)
A・・街で男の子と女の子が話をしていた
B・・街で男の子が女の子に話しかけられていた

「誰が見ても同じ出来事」ですので、Aは勿論「事実」ですね。

また「どちらから話しかけたか」は、端から見た人では分からず、
実際に話している本人達でないと分からない出来事が含まれているので
Bは「真実」です。

このことを踏まえますと、世の中のニュースや人の噂というのは、
事実ばかりを伝え、真実を知らせてない内容になります。

例えば、
「〇〇さんが、離婚したんだって!」
「〇〇さんが、捕まったんだって!」
「〇〇さんが、事故に遭ったんだって!」

、、これらは確かにすべて「事実」かも知れません。
しかし同時に「真実」も語ってあげないと、
最も重要な点が不明のまま、周りに伝わってしまう」ため、
必ず誤解を招き、様々な憶測だけが飛び交ってしまいます。

となると、真実には「本人達でないと知りようもない事情」があるのに、
「その真実が不明のまま、事実だけの情報が入って来る今の世の中」
どうしても居心地が良くないと感じます。

本来「物事の良し悪し」というのは、
両方の視点から見ないと判断できない筈」なのですが、
実際今の世の中は「片方の視点だけで話しをしている」事が多いんです。
日常で争いがなくならないのも、相手の立場や事情は考えず、一方的な
言い掛かりや思い込みで、個人の主張をぶつけ合う人が多いからです。

これでは、いつまで経っても良くない噂や印象操作がはびこってしまい、
誤解や偏見が絶えず、争いだらけの世の中になってしまいます。

まとめ

それでは、そういう世の中にならないようにするためには、何が必要でしょうか?

まず1つ目、公共では
「報道機関・雑誌・インターネット等の全ての宣伝媒体が、
事実だけでなく、真実も伝えるようにする」

そして2つ目、各個人間では、
「事実しか分からない情報や噂話は、誤解を招く伝え方は避け、
安易に周囲に広めたりしないという国民全体のモラル上昇」 

この2点が特に重要だと感じます。

現在は、誠に残念ながら、SNSツールやインターネットが世の中に普及した代償として、
たくさんの人たちが、誹謗中傷で傷ついたり、傷つけられたり、
真実が見えないまま命を落とされるケース」が本当に増えてしまっている凄惨な世の中です。

そのため、国or国民全体で注意を呼びかけながら、

「事実だけでなく、真実を見ようとする人たちが、今後増えていく世の中になること」

を切に望みます。

世の中で理不尽に傷つけられる人たちが、少しでも減りますように。

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