皆さんは「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を知っていますか。
2007年12月に内閣府が定めた
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」によると、
「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、
家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な
生き方が選択・実現できる社会のこと」
と定められていますが、シンプルに言えば概ね以下のような意味です。
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「仕事(=ワーク)と生活(=ライフ)の調和(=バランス)」がとれている状態
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「仕事とプライベート両方を充実」させながらより良い生活を送ること
ここ最近、世の中でよく耳にする「働き方改革」の言葉ですね。
・「仕事とプライベート充実できてますか?」
・「仕事だけに偏ってませんか?」
・「子育てや介護に追われていませんか?」
・「プライベートの時間は確保できてますか?」
、、、的なことを国民の皆さんに訴えている訳です。
ちなみに、ワーク・ライフ・バランスが意識されるようになったのは、
1990年代以降からで、「少子高齢化」「雇用環境の悪化」「男女雇用機会均等法」等の影響に伴い、
「労働者の働き方に対する価値観が多様化」したことがきっかけとなっている様です。
また近年、会社や企業でも意識されるようになり、内閣府の発表によると、
現在では以下のような取り組みが率先的に行われています。
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「育児・介護休暇制度」
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「フレックスタイム制の導入」
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「短時間勤務制度」
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「長時間労働の削減」
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「年次有給休暇の取得促進」
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「テレワークの導入」
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「福利厚生の充実」
、、、確かに昔に比べて「社会全体は柔軟になっている」気がします。
ただいつの時代でも「社会はシステムや制度だけで改善を図ってしまう」
傾向があるのですが、忘れてならないのは「個人の心の在り方」です。
「仕事を熱心にしている時に充実を覚えるのか」or「プライベートの時間を重要視したいのか」は、
人それぞれです。
例えば「もっと働きたい」と考えている人に、
「もう少し休んでプライベートを充実させましょうね」と言われても少々無理があります。
、、、かくいう私自身も、過去に会社が赤字経営の時に、
「このままでは店舗が閉鎖になる」
「今は集客の頑張り時だからしょうがない」
「もっと落ち着いてから休もう」
等と考え、休みを返上して一心不乱に働いてた時期があるのですが、
そこで当時の上司から何度か言われたのは
「もっと休んでくださいね」
「プライベートも充実させて欲しいので」
「働き方改革目指しましょうね」
でした。。
お気遣い頂いたのは大変有難い話なのですが、当時会社員として
複数店舗の数字を背負うマネージャー業務に追われていた自身としては、
「現在の状況で、その考え方は本当にいいんだろうか。。」
「休んだ結果、店舗がなくなってしまっては元も子もないのでは。。」
とも感じました。
この話は、働く方の立場や職責によって捉え方や受け取り方は
変わりますので、賛否があって当然だと思います。
ただ個人的にはやはり
「制度だけで人を縛ろうとすると無理が生じる」
代表例だった気がします。
国や企業が社会全体を良くするために
「システムや制度変化にて改善を図ること」は
とても重要なことだと思います。
ただ「個人の理解を取っていくことも同じくらい重要」だと感じます。
ワーク・ライフ・バランスは「国や社会全体の課題」だと思います。
しかし早期改善を目指すためには、発信者側の一方通行にならないよう、
「個人の心の在り方を軽視せず、受け取り側に粘り強く
その目的や意図を訴え、認知を着実に取っていくこと」
も同時に必要なのではないでしょうか。
「大きな変化を望むには、小さな変化を怠らないこと」
を「1人1人が一丸となって心がける」ことが出来た時、
より良い社会が近づくのではと確信しています。